表層透気試験(Torrent法)

本試験は,硬化したコンクリートの緻密性を原位置で評価する非破壊試験法のひとつとして位置づけられています.ダブルチャンバーから吸引によってコンクリート表層を真空状態にし,その後真空ポンプによる吸引を停止し,チャンバー内の気圧が回復するまでの時間から表層コンクリートの透気性を評価する手法になります.



本手法の紹介

・蔵重勲:コンクリートテクノ特集「コンクリート構造物の表層品質の評価技術 (表層透気試験)」(2016年8月号)
今本啓一:コンクリートの表層透気試験方法の現状と課題(コンクリート工学,Vol.53,No.7, pp.606-613,2015)
表層透気試験の研究開発の歴史,試験方法の概要,活用例,注意事項などについて記した解説文です.

品質確保への適用事例
コンクリート構造物の品質確保の手引き(案)(橋脚、橋台、函渠、擁壁編)

コンクリート構造物の品質確保の手引き(案)(トンネル覆工コンクリート編)

東北地方整備局通達のコンクリート構造物の品質確保の手引きの中で,コンクリート構造物の品質を評価する技術の一つとして紹介されています.


海外における取組み

半井健一郎、蔵重勲、岸利治:かぶりコンクリートの透気性に関する竣工検査−スイスにおける指針−、コンクリート工学、Vol. 49、No. 3、pp. 3-6(2011)
実構造物やコンクリート製品の耐久性をかぶりコンクリートの透気性で直接検査する,スイスの取組みが紹介されています.

その他の主要な参考文献
1) R.J.Torrent: A two-chamber vacuum cell for measuring the coefficient of permeability to air of the concrete on site, Material and Structures, Vol.25, pp.358-365, 1992
2) コンクリート技術シリーズ「構造物表層のコンクリート品質と耐久性能検証システム研究小委員会(JSCE335委員会)第二期 成果報告書およびシンポジウム講演概要集」,土木学会,2012


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