目視評価
目視評価法は,コンクリート構造物の表層部分の品質を,コンクリート表面の見た目により評価を行うものです.目視評価法には一般構造物用と,トンネル覆工コンクリート用があります.
基本的な項目が記載されたシートは,次の通りです.
・目視評価シート(一般構造物用)(2021年11月版 土木学会356委員会)PDF版
・目視評価シート(一般構造物用)(2021年11月版 土木学会356委員会)Excel版
・目視評価シート(一般構造物用)(従来版)
・目視評価シート(トンネル覆工コンクリート用)
・目視評価シート(一般構造物:寒中コンクリート用)
以下に説明するとおり,上記の目視評価シートは決まったものではなくそれぞれの使い道に応じて評価項目を変更して各自がPDCAをまわすツールとしての使い方が適しています.初めて導入する場合には上記のファイルから使い始めるのが良いでしょう.
目視評価の考え方,実際の評価のしかた,等を丁寧に解説した動画も多数あります.
・目視評価法の解説〜コンクリート構造物見学会〜(「コンコム」のサイトへリンク)
・目視評価法の意義,コンクリート構造物,東北地方整備局での活用
一般構造物用の目視評価法は,橋台や橋脚などの壁状のコンクリート構造物について,ある面やリフトなどのやや広い範囲を対象とし,「沈みひび割れ」「打ち重ね線」などの5〜6項目について,0.5点きざみの4点満点で評価を行うものです.
シリーズ「コンクリート構造物の品質確保物語D目視評価法 −品質向上の必殺技−
評価の項目や数については,地域の実情などによっても異なり,例えば寒中コンクリートを対象にした場合,「面的な微細ひび割れ」を検討項目に追加することもあります.
シリーズ「コンクリート構造物の品質確保物語」F寒中コンクリートを用いる構造物の品質確保
東北地方整備局 コンクリート構造物の品質確保の手引き(案) (橋脚、橋台、函渠、擁壁編)
シリーズ「コンクリート構造物の品質確保物語」J復興道路の覆工コンクリートにおける品質確保
タブレット端末を用いて目視評価法を行う試みも行われており,多くの対象構造物を多人数で評価し,その結果を集計する際などに有効となっています.
<その他の主要な参考文献>
1. コンクリート工学 テクニカルレポート「目視評価法を活用したコンクリート構造物の品質確保の取組み」(2016/8)(pdfへのリンクあり)
2. コンクリート工学 テクニカルレポート「目視調査に基づくコンクリート構造物の表層品質評価手法の実績と調査結果を反映した表層品質向上技術」(2014/9)(pdfへのリンクあり)
3. 細田 暁, 坂田 昇, 田村隆弘, 二宮 純:目視評価を活用した山口県のひび割れ抑制システムによる表層品質向上の分析, コンクリート工学年次論文集
Vol.35, pp.1837-1842, 2013.7
4. 伊藤忠彦,細田 暁,林 和彦,西尾 隆,八巻大介:覆工コンクリート品質向上の取り組みと表層品質の評価, トンネル工学報告集 24巻
I-4号,pp.1-9, 2014.12
5. 井林 康,細田 暁,二宮 純,岩城 一郎,田村 隆弘: コンクリートの施工状況把握チェックシートおよび施工後目視評価のタブレット端末への適用,「データベースを核としたコンクリート構造物の品質確保」に関するシンポジウム,2013.9